■ 仏像に関する色々な話題を思いついたままに書いていきます。
№6《桐について》
桐は落葉広葉樹で比重は0.3と国内では最も軽い木材である。特徴はその軽さにあるが一度乾燥すると水分を吸収しづらく湿気を通さない為、割れや狂いが少なく高級木材とされている。また、耐火温度は450℃で火に強く、熱伝導が低いので手で触っても冷やかな感じがしないうえ、燃えても表面が炭化しやすく内部まで燃えるのに時間がかかる。
軽い割には強度もあり磨滅にも強く、多孔質で粘性を持っているので音を伝える力が大きく琴や琵琶などの楽器にも使われる。
木目が明瞭で、表面を仕上げると光沢を放って美しく、柔らかいため切削や糊付けの加工が容易である。湿気を防ぐ性質から箪笥や箱物に古くから使われてきたが、近年は耐火性や保温効果から扉や床材としても使われている。
材木としても優等生であるが、鳳凰が棲む神聖な木として扱われ、家紋や紋章の意匠にも多く使われいてる。500円玉のデザインにも使われているが意識している人は少ないかもしれない。
*画像は桐の花。
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