■ 仏像に関する色々な話題を思いついたままに書いていきます。
№4《檀像について》
白檀などの香木で彫刻された仏像を「檀像」(ダンゾウ)と呼んでいる。檀像が最初にインドで造られた歴史は古く、日本には奈良時代を中心に中国を経由して伝わっている。その代表作品は法隆寺の九面観音像であろう。頭上面を別としてすべての装身具、天衣、水瓶を含め足下の蓮華までのすべてが白檀の一木から彫り出されており、一日中眺めていても飽きることはない。檀像の請来は日本の仏像制作に大きな影響を与えることになる。
白檀は重くて堅いというイメージがある、比重は0.96~1.14で確かに重くて堅い。しかし、堅いということは刃物に対して崩れないことを意味し、また香りの元である油を多く含み刃物のとおりが良く細緻な彫刻には最高の材料である。
*画像は法隆寺の九面観音像。
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