■ 仏像に関する色々な話題を思いついたままに書いていきます。
№3《白檀について》
ビャクダン科の熱帯性常緑樹で英名をサンダルウッドという。インド、インドネシア、オーストラリアなどで産出されるが、インドのマイソール地方で産するものが香り質共に良く、特に「老山白檀」と呼ばれている。
伐採後インド特有の赤土に埋め、辺材である白太(シラタ)を腐食させると聞くが、
原木を製材するとひび割れなどの隙間から赤土らしき塊が出てくる。
定かではないが、辺材が腐り油分が心材に集中し、赤土に含まれる微生物の作用によって特有の香りが生ずるのだろうか。
近年、インド政府は白檀の伐採を制限し、輸出規制を行っており、国内において仏像彫刻に適した白檀材の入手はほぼ不可能に近い。
当初漢訳経典においてインド語の音をそのまま漢訳して「栴檀(センダン)」と表記されていたが、その後、玄奘(ゲンジョウ)が「白檀」と称し、以後「白檀」と表記されるようになった。
「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は「白檀」のことであるが、センダン科の「栴檀」は西日本をはじめアジア各地に自生する落葉高木で白檀とは別の樹木である。
*画像は白檀の原木。
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