■ 仏像に関する色々な話題を思いついたままに書いていきます。
№2《広葉樹(欅)について》
国内で針葉樹の代表が「檜(ヒノキ)」なら、広葉樹の代表は「欅(ケヤキ)」ではないでしょうか。
欅は古くから寺社仏閣の内部材として、また家具をはじめとする容器類、工芸材料などなど広い範囲で利用されてきましたが、仏像彫刻に使われることは少ないようです。木目が濃すぎて仏像としては見た目が悪く、また堅くて作業に時間がかかるからであろうか?
檜以外では楠、桂、桜、榧(カヤ)などの広葉樹が仏像彫刻に用いられます。
楢(英名オーク)や椈(ブナ)などの広葉樹は高級家具材とされていますが、それは戦後一般に西洋家具が普及してからのことであり、それまでは伐採が困難で乾燥に時間がかかり、堅くて手加工が難しいためもっぱら燃料として薪や炭に利用されていました。
時代と共に用途も変わります、また、広葉樹は成長の遅いものが多く、製品としての良質な樹木は年々減少しているとか。
*画像は柾目の欅。
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